食品衛生管理者の資格を取るとき、取得の難易度や取得までの過程を理解していれば、事前に進路や勉強の計画を立てやすくなります。この記事ではこんなことがわかります!食品衛生管理者の概要食品衛生管理講習について資格取得のメリット資格取得のための勉強法資格取得後のキャリアパス資格取得後の就職・転職先候補の企業まで紹介するので、参考にしてみてください。目次食品衛生管理者とは引用元:photoAC食品衛生管理者は、食品や添加物の製造・加工に関わる施設での衛生管理を担うための国家資格です。食品衛生法で規定された重要な食品や添加物を扱う場合、専任の管理者を配置する義務があります。主な業務としては、従業員の健康管理、食材の保管や加熱方法のチェック、施設全体の衛生管理や職員への衛生指導などです。また、間違われやすい資格に食品衛生責任者があります。食品衛生責任者は「食品衛生法施行令13条」で定められた衛生上重要な食品や添加物を扱う業務を行えませんが、食品衛生管理者なら上記の業務も行えるのが2つの資格の大きな違いです。より幅広い業務を担当したい場合は、食品衛生管理者の資格取得を目指しましょう。食品衛生管理者の資格を取得する難易度引用元:photoAC食品衛生管理者の資格取得の条件は、指定された講習を受けることです。基本的に講習を最後まで受ければ、ほぼ100%合格するため、取得の難易度はその他の国家資格と比べると低いといえます。一方で、講習を受けるための要件は細かく定められているため、要件を満たしていて、受講資格があるのかが、合格のために押さえておきたいポイントです。食品衛生管理者講習を受講するための条件食品衛生管理者の講習を受講するための条件は下記になります。医師・歯科医師・薬剤師・獣医師学校教育法に基づく大学、旧大学令に基づく大学または旧専門学校令に基づく専門学校で、医学・歯学・薬学・獣医学・畜産学・農芸化学・水産学の課程を修めて卒業した人都道府県知事の登録を受けた食品衛生管理者養成施設において、定められた課程を修了した人学校教育法に基づく高等学校、中等教育学校、旧中等学校令に基づく中等学校を卒業した人、これらと同等以上の学力があると厚生労働省によって認められる人の中で、食品衛生管理者を設置しなければならない製造業・加工業において、食品や添加物の製造・加工の衛生管理業務に3年以上従事し、都道府県知事の登録を受けた講習会の課程を修了した人参照:厚生労働省|食品衛生法の改正についてなお、取得した資格に有効期限はないため、一度取得できれば長期的に資格を活かした仕事が可能です。もし、資格取得から年月が経過していて、知識面で不安を感じる方は再度講習を受けることもできます。食品衛生管理者講習について(申請方法・受講料)食品衛生管理者講習についての申請方法と受講料に関する情報を以下にまとめました。食品衛生管理者講習の受講を検討している方はぜひ参考にしてください。1. 申込書類の提出食品衛生管理者講習会の申込みは、以下の手順で行います。申込書類の準備必要な書類をダウンロードし、必要事項を記入します。例えば、公益社団法人日本食品衛生協会のサイトから各種様式をダウンロードできます。提出先業種により提出先が異なるため、注意が必要です。例えば、食肉製品製造業や添加物製造業の場合、それぞれの指定された提出先に送付します。提出期限提出期限は事前に確認し、期限内に必着するように送付します。例として、令和5年の講習会では1月13日が締め切りでした。2. 受講資格受講資格は以下の通りです。学歴要件高等学校若しくは中等教育学校を卒業した者、または食品衛生法第48条第1項の規定により食品衛生管理者を置かなくてはならない製造業又は加工業において2年以上従事した者。実務経験: 講習会修了後も計3年間の実務経験が必要。受講料1. 食品衛生管理者講習会受講料: 283,800円(税込)。教材・テキスト代を含みますが、インターネット使用料や通信料、開催会場までの交通費、宿泊費、食事代等は含まれない。納入期限:受講決定通知後に詳細が案内。2. 食品衛生責任者養成講習会受講料:一般的には12,000円(内訳:受講料10,000円、教材費等2,000円)であり、当日現金で支払い。eラーニング型:eラーニング型も同様に12,000円であり、オンラインで受講可能。食品衛生管理者の資格を取得するメリット引用元:photoAC資格取得のためには、受講料や講習完了までの時間がかかります。一方で、資格取得のためにかかるさまざまなコスト以上に受けられる恩恵があるので、代表的なものをみていきましょう。食品衛生法に定められた食品や添加物の製造・加工を行える「食品衛生法施行令13条」で定められている食品や添加物の製造・加工をする場合、食品衛生管理者の配置が義務付けられています。また、衛生管理に対する幅広い知識を持つ食品衛生管理者なら、従業員絵の指導や衛生コンサルなど、より専門的な業務の遂行が可能です。責任感ある役職で、食の安全を守りたい方は資格取得を目指しましょう。就職・転職の幅が広がる食品衛生管理者の資格は、食品衛生法で規定された食品や添加物の製造・加工を行う食品メーカーなどの就職・転職に有利です。「食品衛生法施行令13条」では、衛生上重要な食品や添加物を扱う施設では、食品衛生管理者の設置が義務付けられてるため、採用担当者目線でも資格を取得している方を優先的に採用したくなります。少しでも食品関連の仕事に就職・転職できる可能性をアップさせたい方は、要件を満たしたうえで食品衛生管理者の資格を取得しましょう。食品衛生管理者の勉強法引用元;photoAC食品衛生管理者の資格取得のためには、どのように勉強をすればいいのかよく分からないという方もいるでしょう。ここでは、食品衛生管理者の勉強法について紹介します。ぜひ参考にして資格取得を目指してください。1. 講習会の受講食品衛生管理者資格は、講習会を修了することで取得できます。講習会では、以下のような科目を学びます。公衆衛生概論食品衛生法及び関係法令食品、添加物等の基準規格化学概説細菌学序論毒物学食中毒学食品学(栄養学)施設における衛生管理これらの科目は、一般共通科目として132時間以上の受講が必要とされています。また、乳製品関係科目や食肉製品関係科目など、特定の分野に特化した科目もあります。2. 実務経験の活用食品衛生管理者資格を取得するためには、3年以上の実務経験が必要です。この経験を活かして、実際の業務で学んだ知識を講習内容と結びつけることで、理解を深めることができます。3. テキストと問題集の活用講習前に予習としてテキストや問題集を活用することが効果的です。以下のポイントに注意して選ぶと効率的に勉強できてよいでしょう。重要なところが赤文字になっているもの:赤シートで隠して暗記しやすい。勉強の進み具合が一目で分かるもの:チェックリストや進捗管理ができるもの。すぐにアウトプットができるもの:例題や過去問が豊富に含まれているもの。自分のやる気が出るもの:デザインやレイアウトが自分に合ったもの。4. 過去問の反復練習過去問を繰り返し解くことで、試験問題の傾向を把握し、自分の弱点を見つけて補強することができます。過去問は公式サイトなどで公開されている場合もあるので、それらを活用しましょう。5. 通信講座やアプリの利用独学が難しい場合は、通信講座やアプリを利用することも一つの方法です。これらはカリキュラムに沿って効率的に学習できるよう設計されており、サポート体制も整っています。特に忙しい社会人には便利です。資格取得後のキャリアパス引用元:photoAC資格を取得した後のキャリアパスについて気になる方もいるでしょう。食品衛生管理者は主に以下のような職場で活躍しています。食品メーカー:全粉乳や加糖粉乳、食肉製品など特定の食品を製造・加工する施設。食品製造加工工場:食品や添加物の製造・加工を行う工場。キャリアパスとしては、食品衛生管理者として経験を積むことで、より大規模な施設や企業での責任あるポジションに昇進することが可能です。また、専門的な知識と経験を活かしてコンサルタントとして独立する道もあります。食品衛生管理者の資格を取得するのがおすすめの方引用元:photoAC食品衛生管理者の資格取得をおすすめするのは、食品関連の仕事に就きたい方です。先述のように食品や添加物の製造・加工をする場合、食品衛生管理者の配置が義務付けられているため、自然と無資格者よりは、仕事の幅が広がります。また、食品衛生管理の仕事では、責任感や衛生管理をする上での几帳面さなどが求められます。下記に当てはまり、要件を満たしている方も資格取得がおすすめです。責任感があり真面目コミュニケーション能力に自信がある衛生意識が高く几帳面食の衛生環境を守る登録衛生検査所を紹介引用元:photoAC食品衛生管理者の資格取得を検討している方の多くは、衛生意識が高く、食の安全を守る仕事をしたいと感じているはずです。そこで就職・転職先の候補としてもおすすめの登録衛生検査所を紹介します。もし、資格取得後、働く先を選ぶのに迷っていたら参考にしてみましょう。1.株式会社有研引用元:株式会社有研公式HP会社名株式会社有研本社所在地〒553-0001大阪府大阪市福島区海老江2-1-31青山ビル電話番号(本社)06-6458-9555設立(創設)1927年事業内容臨床検査微生物学的検査寄生虫学的検査遺伝子関連・染色体検査公式サイトURLhttp://www.ariken.net/index.php株式会社有研は、1927年の設立時から臨床検査・衛生検査の分野にて業界をリードする企業です。結核治療・予防ワクチン開発の実績を持ち、国内外30カ国以上から高く評価されています。衛生検査、拭き取り検査、水質検査に加え、おしぼりの細菌まで検査できるので、食の安全に関わる検査を一括で依頼可能です。国内の各地に拠点があり、全国からの検査依頼に対応している点も強みといえます。更に詳しく株式会社有研について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。株式会社有研の会社概要、サービス内容、特徴・強み、競合まで徹底解説「衛生管理として活躍している会社に依頼したい」「衛生管理者になりたい」「夏の食中毒などが不安」そんな企業担当者の方や食品衛生管理者を目指している方におすすめなのが、株式会社有研。業界をリードするその専門性と豊富な実績を活かして、全国からの依頼に対応しています。話をきいてみたい、もう少し会社について知りたいという方はぜひHPを覗いてみてください。2.株式会社町田衛生予防研究所引用元:株式会社町田衛生予防研究所公式HP会社名株式会社町田衛生予防研究所本社所在地〒194-0013東京都町田市原町田3-9-9電話番号(本社)042-725-2010設立(創設)1967年事業内容食品検査食品輸入時の命令検査、自主検査(細菌検査)異物検査・環境検査検便尿検査・寄生虫検査新型コロナウイルス検査施設衛生点検衛生コンサルティングJFS監査および適合証明プログラムに基づく監査公式サイトURLhttps://www.mhcl.jp/株式会社町田衛生予防研究所は、食品の品質検査や施設の衛生検査、新商品の開発から商品苦情調査まで、食にまつわるさまざまなニーズにワンストップで応える会社です。自分がどのような検査を依頼すればよいか分からない方は、公式サイト内の「食品衛生検査ナビゲーター」というページをみれば、必要な検査をひと目で確認できます。取引先は11,000件を超えるほどの、実績と信頼を兼ね備えた企業なので、初めて衛生検査を依頼する方でも安心です。更に詳しく株式会社町田衛生予防研究所について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。町田予防衛生研究所の会社概要や強み3.株式会社東邦微生物研究所引用元:株式会社東邦微生物研究所公式HP会社名株式会社東邦微生物病研究所本社所在地〒556-0001大阪府大阪市浪速区下寺3丁目11番14号電話番号(本社)06-6648-7157設立1983年事業内容腸管病原性細菌検査、腸管病原性ウイルス検査、臨床微生物検査環境微生物検査、食品微生物検査、衛生セミナー、衛生コンサルティング飲料水・排水・環境水水質検査公式サイトURLhttps://www.toholab.co.jp/株式会社東邦微生物病研究所は、1983年の設立以来、公衆衛生の向上と生活環境の改善のためのサービスを提供している企業です。品衛生、環境衛生、感染症診断の各分野の衛生検査、微生物汚染防止のための食品検査に加え、水質検査まで依頼できます。品質管理の国際基準ISO9001に認定されていて、客観的にも検査技術の信頼性が証明された会社に、衛生検査を依頼したい方は相談してみましょう。更に詳しく株式会社東邦微生物病研究所について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。株式会社東邦微生物病研究所の概要や事業内容を紹介!最後に引用元:photoAC食品衛生管理者は、講習を受けることで資格取得できるため、取得そのものの難易度は高くありません。一方で、専門学校卒業や指定の職業への就業など、講習を受けるための要件は、いくつか定められています。要件を満たすための難易度は高いものの、資格取得をすることで就職・転職に有利になったり、専門的な業務に携われたり、さまざまなメリットがあるので、食品衛生にまつわる仕事に就きたい方は、資格取得を目指してみましょう。