登録衛生検査所という言葉を聞いたことはあるが、具体的な業務内容やどのような企業があるのかを知っている方は少ないはずです。登録衛生検査所では、消費者が安心して食品を食べたり、化粧品を使ったりするための衛生検査が日々行われています。本記事では登録衛生検査所の業務の中でも食品衛生検査に注目。大阪にある信頼して検査を依頼できる企業と合わせて、検査方法、検査内容についてみていきましょう。目次登録衛生検査所とは?引用元:photoAC登録衛生検査所は、医療機関から採取された検体や、食品、飲料などの製品に関する衛生検査をするための施設です。認定のためには法律や規制に基づき設立されるだけでなく、登録、登録のための維持要件を満たした上で運営を続ける必要があります。また、具体的な役割としては、化粧品のような製品の品質を担保するために原材料や成分調査をしたり、食品に食中毒の原因となるウイルスが含まれていないかを検査したりして、消費者の健康や安心を守る役割を担っています。本記事では、数ある業務の中でも食品関係の衛生検査に注目してみていきましょう。食品の衛生検査引用元:photoAC登録衛生検査所では、食品の製造・販売・調理・加工など、さまざまな過程において求められる検査や管理が行われています。消費者に提供されている食品の安全性を確保するために、どのような検査が行われているのかをみていきましょう。食品検査食品検査は、食品の品質、安全性を確保するため、食品や原材料に含まれる成分・機能・衛生状態を確認するための検査です。具体的には、賞味・消費期限を科学的に解析する保存検査、食品中の微生物を調べる食品検査、食中毒の原因となる寄生虫検査などが挙げられます。また、万が一食中毒が起きたときの原因解明のために行われることもあり、多くの人が安心・安全に食を楽しむために欠かせない検査の一つです。水質検査登録衛生検査所では、水のにおい、硬度、色、微生物・細菌の有無などを判定できる水質検査が行われます。食品の衛生検査で水質検査が行われる場合、調理に使用されている水道水や井戸水が、食品衛生法で定められている基準を満たしているのかがチェック対象です。万が一、定められた基準を満たしていない水が食品の調理や加工に用いられた場合、人体に悪影響を及ぼすことも十分考えられます。安心・安全な食品を消費者に届けるためには、水質検査も重要な要素の一つです。残留農薬検査残留農薬検査は、人の健康に害を及ぼさないように農産物や食品中に残留している農薬の量を測定し、安全性を評価するための検査です。病原菌や害虫を防ぐために農業で大切な役割を持つ農薬ですが、一部は収穫後も農作物に急襲されたり、表面に付着していたりするケースもあります。残留農薬検査では、厚生労働省の設定した厳格な基準に基づき、農薬の種類や濃度が検査されるため、安全性が保証された農作物が消費者の元に届くのです。食品取扱者の衛生検査引用元:photoAC安全な食品を提供するためには、食品や周辺環境だけでなく、食品を取り扱う方の健康管理も必須です。食品取扱者の健康状態をチェックして、食中毒や感染症のリスクを最小限に抑えるために行われる具体的な検査をみていきましょう。腸内細菌検査(検便)食品取扱従事者の健康管理と食中毒予防に重要な役割を果たしている検査です。食中毒の原因となる病原体の保有状況を確認して、症状のない健康保菌者を発見する効果的なもっとも有効な手段といわれています。厚生労働省のガイドラインでは、調理従事者などに月1回以上の検便を推奨しています。検査項目には、腸管出血性大腸菌、サルモネラ菌、赤痢菌などが含まれ、必要に応じて寄生虫卵やノロウイルスの検査も実施。時代とともに対象病原体は変化していますが、現在は腸管出血性大腸菌やノロウイルスの発見が重要視されています。海外帰国者の業務復帰前検査や、手洗いなど他の衛生管理方法との組み合わせも効果的です。細菌と寄生虫の両方を対象とする包括的な検査は、食品の安全性確保と消費者の健康保護に貢献しています。リアルタイムRT-PCR法食品取扱従事者のノロウイルス対策として一般的なのは、先に述べた腸内細菌検査(検便)が一般的ですが、厚生労働省食品安全監視安全課が推奨するリアルタイムRT-PCR法も有効な検査方法のひとつです。対象者は食品製造従事者、給食製造者、有症者、感染の有無を確認する必要がある人をはじめ、感染後の職場復帰時に検査が必要な人など。基本的に検査料金は税別6,000円で、通常翌営業日に結果が報告されます。企業や学校向けには窓口持ち込みや宅配便での提出、まとめて請求書を発行するサービスも提供しているようです。検査キットのネット販売も行っています。BLEIA(ブレイア)法平成24年に栄研化学が開発した生物発光酵素免疫測定法です。この方法は、ホタルルシフェラーゼ発光を原理としており、従来のELISA法やイムノクロマト法の化学発光法と比べて感度が大幅に高くなっています。BLEIA法は、PCR法等の遺伝子検査法と同等の感度と迅速性を持ちながら、より経済的な測定法です。検査情報検索システムとの連携により、検体到着確認から検査結果確認まで最短で即日閲覧が可能となっています。効率的で信頼性の高い検査方法として注目されています。食品取扱者がノロウイルスや食中毒の検査を定期的に行うことで、安全に食品を提供できます。例えば、有研ではノロウイルスだけでなく、その他の食品に対する細菌・異物混入検査も実施。必要な検査を一括で依頼することが可能です。食品衛生検査の方法引用元:photoAC従来、食品衛生検査では、食品を加工・調理する施設そのものの清潔性が重視されてきました。働く人や製造環境を清潔に保つことで、細菌や異物混入を防ぐという考え方です。一方で、2021年から飲食店で義務化されたHACCP方式の検査は、従来以上に徹底した管理と継続した監視や記録を特徴としています。例えば、食品の料理や加工のどの段階で、どのようなリスクがあるのかを徹底してチェックすることで、起こりうるリスクに対処しやすいシステムを構築できるのが特徴です。より正確な腸内細菌検査をするための流れ引用元:photoAC正確な腸内細菌検査(検便)を行うための一般的な流れは以下の通りです。検査依頼適切な検査機関を選び、検査を依頼します。採便容器の受け取り検査機関から採便容器が送られてきます。通常、依頼から1週間程度で届けられます。採便特殊な採便シートや容器を使用し、便が水に触れる前に採取。便の複数箇所から採取することで、より正確な結果が得られます。採取量は米粒大程度で十分です。保管と送付採取した便は、冷蔵庫(4℃)で保管し、できるだけ早く検査機関に送付します。適切に保管された場合、最大2週間程度は検査可能です。検査実施検査機関で検査が行われます。結果確認検査結果が報告され、確認します。検査項目は通常、赤痢菌、腸管出血性大腸菌、サルモネラ属菌などの腸内細菌検査が含まれます。必要に応じて、ノロウイルス検査や追加の細菌検査(腸炎ビブリオ、コレラ菌、カンピロバクターなど)を行うこともあります。正確な結果を得るためには、適切な採便方法と迅速な検体の処理が重要です。また、検査機関の選定時には、検査項目の豊富さ、価格、結果報告の速さなどを考慮することが推奨されます。ノロウィルスの予防法などの情報は次の記事でも紹介しています!ノロウイルスが怖い理由と予防方法を解説大阪の登録衛生検査所の代表的な3社引用元:株式会社有研公式HP飲食店をはじめとする食品取扱者向けに、大阪の登録衛生検査所を紹介します。検査の依頼先を探している方は、参考にしてみましょう。【大阪・登録衛生検査所】「有研」引用元:photoAC会社名株式会社有研大阪本社所在地〒553-0001大阪府大阪市福島区海老江2-1-31青山ビル電話番号06-6458-9555支店名東京支店、仙台支店、福岡支店、名古屋支店、札幌支店、沖縄支店、広島支店東京支店所在地〒130-0022東京都墨田区江東橋4-24-5協新ビルヂング201電話番号03-3631-9555設立1927年公式サイトのURLhttp://www.ariken.net/有研は登録衛生検査所に認定されている衛生検査分野のパイオニアです。大手ホテルや公共機関、百貨店まで幅広い企業の検査を請け負っている実績を誇ります。有研で受けられる検査の種類は、食品検査や腸内細菌検査からおしぼりの衛生検査までさまざま。検査項目によっては、検体受付後1〜4日以内に結果が出たり、webシステムでも検査結果を確認できるため、急ぎの感染症対策にも対応できます。有研は食品取扱従事者におすすめ食品衛生検査を専門とする登録衛生検査所である有研は、食品の安全性を確保したい食品取扱従事者におすすめです。食品の安全性を重視する人有研は、食品衛生検査や拭き取り検査を提供し、食品の安全性を確保するためのサポートを行います。食品の品質管理に厳しい基準を持つ企業に最適です。衛生管理を徹底したい人従業員の健康管理を徹底するための検査を提供しています。従業員の健康を守りたい企業におすすめです。水質管理が必要な人有研は水質検査も行っており、飲料水や調理用水の安全性を確認することができます。飲食店や食品工場での水質管理に役立ちます。株式会社有研は、食品の安全性や従業員の健康管理、水質管理を徹底したい食品取扱従事者におすすめの検査機関です。公式サイトには、詳細な検査内容や依頼方法が掲載されています。ぜひご覧ください。【大阪・登録衛生検査所】「東邦微生物病研究所」引用元:株式会社東邦微生物病研究所公式HP会社名株式会社東邦微生物病研究所本社所在地〒556-0001大阪府大阪市浪速区下寺3丁目11番14号電話番号06-6648-7157設立1979年公式サイトのURLhttps://www.toholab.co.jp/東邦微生物病研究所は、微生物学・理化学検査、コンサルサービスを通じて公共衛生の向上をサポートしている企業です。食品や水だけでなく、衛生環境、地球環境に至るまで多様化する検査ニーズに応える多様なサービスが揃っています。食品分析などの検査だけでなく、新しい検査・管理方式として注目を集めるHACCP衛生管理システムの構築支援も行っているため、HACCP導入義務化の対応に困っている方にもぴったり。また、登録衛生検査所にも認定されている企業なので、発行された書類は公的証明書としての提出が可能です。【大阪・登録衛生検査所】「関西環境センター」引用元:株式会社関西環境センター公式HP会社名株式会社関西環境センター本社所在地〒599-8276大阪府堺市中区小阪204-27電話番号072-281-0521設立1997年公式サイトのURLhttps://www.kansaikankyou.co.jp/株式会社関西環境センターは、食品、水、ウイルスまで幅広い検査業務に対応している環境衛生検査の企業です。取り扱い検査は、食品だけでも「食品微生物検査」、「食品成分分析」、「保存試験」、「アレルギー物質検査」などさまざま。食品微生物検査の場合、最短7日〜10日で結果が分かります。大阪の堺市を中心に地域密着型の企業として親しまれる関西環境センターなら、信頼して衛生検査を依頼できるはずです。その他にも大阪の登録衛生検査所を紹介引用元:株式会社大阪血清微生物研究所公式HP上述した企業の他にも大阪には信頼して検査を依頼できる登録衛生検査所がいくつもあります。その中でも、信頼性と利便性に優れた3社をみていきましょう。【登録衛生検査所】「大阪血清微生物研究所」大阪血清微生物研究所は、医療機関からの臨床検査から食品関連の検査まで多様な検査に対応している企業です。オンラインで検査結果を確認できる「WEB検索結果照会システム」により、スピーディーな結果が求められる現代のニーズにも対応しています。また、2011年1月にはフルオートメーションシステムの検査棟を立ち上げ。よりスピーディーな検査体制と安定した結果報告システムを確立しているのが魅力的です。【登録衛生検査所】「大阪食品衛生協会」大阪食品衛生協会は、1964年衛生思想の普及向上と自主衛生管理の推進のために創設された社団法人です。登録検査機関として認定された食品検査センターでは、微生物検査、保存検査、異物検査、3種類の食品に関する検査を受けられます。また、検査結果は速報と報告書の2つで通達。なるべく早く検索結果を知りたい方の利用にもおすすめです。【登録衛生検査所】「中央微生物検査所」中央微生物検査所は、「医療をつなぐ」、「命を育む」二つの指針をもとにさまざまな検査を行う企業です。食品衛生検査だけではなく、ノロウイルス検査や腸内細菌検査など、食品取扱者向けの検査も充実しています。1950年の創業以来、臨床検査を通じて地域医療に貢献し続けてきた獣王微生物検査所。検査技術からマネジメントまで妥協することなく成長し続けている企業に依頼したい方は、問い合わせてみましょう。中央微生物検査所の情報は次の記事にも掲載されています!中央微生物検査所の会社概要や強み|サービスも紹介高度な検査が可能!大阪の登録衛生検査所をチェック!引用元:photoAC法律や規制などの基準を満たして認定された登録衛生検査方法なら、認証検査から食品検査まで高度で良質な検査を受けられます。本記事では食品関連の検査に絞って、具体的な検査内容やおすすめ企業を解説しているので、検査の依頼先選びの参考にしてみましょう。当メディアでは、次の記事もよく読まれています。ぜひチェックしておいてください!衛生管理を手助けする食品衛生コンサルとは?HACCP対応支援から現場の指導までを解説HACCP義務化による飲食店の対応は?求められる対応からQ&Aまで解説